「ドラえもん」は、誰もが知っていて好かれているキャラクター。ドラえもんのポケットから出てくる道具の数々は夢に満ちていて、便利なモノばかり。その数は、1900個を優に超えているのだとか。
「パソコン」はドラえもんと同様、「何でもできる」便利な道具と言われている。でも、私はドラえもんのようにパソコンを好きになることができない。まず、画面を見てみる。この中にいくつのボタンがあるのだろう。ざっと数えて30個。そのうちの一つをクリックするとさらに10個ほどメニューが出てくる。隠れているボタンも合わせると、一体いくつあるのだろうか…。
それに加え、手元を見るとキーボードがあり、ここにも70個を超えるボタン(キー)が所狭しと並んでいる。普段はあまり意識していないが、パソコンの前に座るだけで、合わせて100個以上もの選択肢に直面していることとなる。考えてみると、かなり恐ろしい。
少し飛躍した考えだが、「100択問題」のクイズなんて考えるどころか読む気もしないし、「100叉路」の交差点なんかがあれば、確実に事故を起こす。
結局、私がパソコンをドラえもんのように好きになれないのは、パソコンがあくまでも四次元ポケットの中の「道具」だからだと思う。のび太くんがピンチの時に、のび太くんの視点で、その時の状況に合わせた最適な道具を出すドラえもん自身の「温かな心」
が欠けているからだろう。
最近、携帯電話売り場で2画面の折りたたみ式携帯を触わる機会があった。通常のキーではなく、タッチパネルになっていて、メールや電話などの使用目的に合わせてボタンの種類や配置が変化する、とても興味深い仕組みだった。操作するにつれ、ドラえもんが笑ってポケットから道具を出す姿が、少しだけ画面の向こう側に見えた。
パソコンがある限り、私にとってポケットの中身は十分にそろっている。あとはドラえもんが欲しいな…と思う。
(文・のび太なオヤジ)
※この文章は、2007年7月30日発行のゆうまぐ[第64号]に掲載されました。
<掲載日:2007年07月29日>