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解けない謎


まっしぐらに優先席へと向かう30代半ばの男性と初めて遭遇したとき、私の頭の中は「はてなマーク」でいっぱいになりました。2〜3回同じことが起きて、私は心を入れ替え、外見はわからないけどどこか具合が悪いのかもしれない、見た目で判断してはいけない、私はなんて心が狭いんだろう、と反省しました。

ところが、その後間もなく、彼がバス停でタバコを吸っている場面に出会いました。バス停は禁煙なのに!シールが小さいから見えないのかしら、健康増進法を知らないのかしら。たばこを吸えるなら、結構、健康なのかもしれない。などとさらに、勝手な想像がめぐります。

もう一度、思い直し、今度は「日本人に見えるけれど、実は日本語が読めないのかもしれない、禁煙のシールも優先席もわからないのかも知れない」と、自分に言い聞かせた翌日、「バスカードをください」と運転手さんと話していました。私は結局、注意することもできず、不思議な視線を送り続けていました。

そんなある日、内部障害に関するマークがあり、愛・地球博の会場でキャンペーンをしているという話をテレビで紹介していました。「優先席に座っていると白い目で見られる」という発言がありました。

「そうだよな。(ため息)」私の勝手な思い込みで想像をめぐらして、ちらちら見ているだけでも、向こうは迷惑に決まっています。謎は深まるばかりですが、私は心に決めました。今日も彼が元気に仕事へ向かっている、それでいいではないか。

(文・アメンボの子)

※この文章は、2005年7月15日発行のゆうまぐ[第24号]に掲載されました。

<掲載日:2005年07月15日>