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悩まされるメール


62歳になる母は、実家で一人暮らし。現役の看護師を続けているが、いわゆる「超機械オンチ」で、いまだにビデオの操作もできず、CDプレーヤーも飾り物。
そんな母が突然「携帯でメールをやりたい」と言いだした。入院している幼い子どもとメール交換をしたい、というのだ。仕方なく、実家に戻った際に、迷わず買ったのが、私と同じ機種の携帯電話。通話の方法から教え込むのは大変!しかも、私が東京に戻っても一人でできるようにしなければいけないので、お互い必死!

最近、取扱説明書がとても見やすく、分かりやすく改善されているので、メールの操作に必要な箇所にマーカーや付箋をしてあげた。ところが、彼女はかたくなに取説を読まない。「マニュアルは分からないもの」と決めつけているらしい。悩んだあげく、バッグに入る小さめのノートにイラストを描いて、必要最小限のコメントをつけた。その下手なイラストを見ながら、何度も練習。操作をして、分からなかった部分は、ノートに追加。練習が一通り終わった頃には、オリジナルのマニュアルが完成していた。ところが、彼女の野望は止まらない。「自分の描いた絵を写真に撮って、送ってあげたいの」「お母さん、絵なんて始めたの?」

不思議なことだが、この出来事をきっかけに、コミュニケーションが増えた気がする。いつか参加したセミナーで、あるパネラーが言っていたコメントを思い出した。「UDとは、自分の家族に安心して使ってほしいと思う気持ち、またそれを通じたコミュニケーションじゃないですか?」今日も画像付きのメールが届いた。愚作だ…

(文:なつかしバーチャンズ)

※この文章は、2005年2月15日発行のゆうまぐ[第15号]に掲載されました。

<掲載日:2005年02月15日>