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「身近なUDレビューを」新井 功理事(三菱電機)


IAUDが設立して一年が経ちました。UDの社会的な認知はますます高まり、私共の三菱電機も、街や働く場、家の中の様々なUDを実現するデザイン開発に取組んでいます。会員各位はそれぞれの取組みだけでなく、IAUDとして社会にアピールできるような活動が増えていくことを望んでいます。

身近な生活の中でも、常にUDを考えていきたいものです。私は、1986年に建てられたマンションに住んでいますが、当時はUDは言うに及ばず、バリアフリーと言う設計思想もあまり考えられていなかったのではないかと思います。数年前に、私が住んでいる集合住宅の共有部分をUDの観点からレビューし自治会報に書いたことがあります。以下にその一部を転載します。

「各戸から正面の共用通路に一人で車椅子に乗って出ることを考えてみましょう。まず各戸のドアを開け、通路に出るのに約9センチの段差があり、介護者なしには降りられません。

通路に出てからエレベーターに向かいます。エレベーターの呼びボタン位置は一般的な大人の人が立って操作するように設計していますので、車いすでは何とか届くという位置です。次にエレベーターに向かって正面から乗り込むと中では方向転換ができません。ということは乗り込む途中で体をひねり左上の1階のボタンを押すことになります。これはかなり難しい仕事です。

なんとかエレベーターから脱出して方向転換し、玄関のガラスドアを開けます。

しかしガラスドアは前後開きで、しかも車椅子に乗って開けるには重くて大変な労力が必要です。引き戸式の自動ドアであったら全く問題ないでしょう。

ドアを通過してもハタと困り果てます。左側には階段。右側には手摺もない急なスロープです。もしスロープを降りたら勢いがついて歩道の向かい側の車道に飛び出してしまいます。・・・・・・」



写真:改修後完成したバリアフリースロープ

以上のように集合住宅から車椅子に乗って外出することだけを見てもバリアが多く存在し、一人での移動は不可能で、介護者が必ず必要となるということです。骨折やねんざ等で足が不自由な時も先に上げた問題箇所の幾つかはやはり大きなバリアになるでしょう。」

この、UDの観点からのレポート後、居住者の皆さんから多くの反応があり、理事会主導でアンケートを行い、先ずは玄関からということで車椅子で一人で降りられる建築基準法に則った傾斜と手摺の付いたスロープに改修することが総会で決定され、今年の7月に完成致しました。

改めて読み返して考えてみても、改修が難しい箇所がたくさんあります。20年目の大規模修繕補修は2年後に迫ってきていますが、バリアフリーやUDの考え方を参考に、居住者全ての人が安心して自立した生活が送れる環境作りを更に充実させてくよう地道な活動に取組んでいきたいと考えています。

(本稿は、著者のご希望により投稿文をそのまま掲載しています)

<掲載日:2004年12月15日>