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「Ud&Eco Style」小杉健一郎理事(イトーキ)


企業人としてUDにたずさわる時、高校時代の松葉杖をついた小児麻痺の友人のことが思い出されました。体育の時間を除いて、3年間同じクラスで過ごしました。周りの仲間たちと彼の様子を心配しながら見守っていましたが、彼は毎日片道1時間ほどの電車通学を苦にする様子が全くなく、ほとんど欠席をしなかったようです。考えてみると、通学鞄を持って満員の電車に揺られ、当時は駅にエスカレーターやエレベーターのない時代で、階段の上り下り、特に雨の日はさぞかし大変だったろうと、今さらながらその苦労が思われます。

2年生の後半だったと記憶していますが、リハビリの努力が実を結び、彼は時々松葉杖なしで登校するようになりました。それでもクラスメートが危なっかしい彼に色々と世話をやき、修学旅行の参加を渋っていた彼を、クラスの総意で強引に参加させ、彼と彼の両親から大変感謝されたことは強烈に覚えています。彼の自立心とクラス全体の思いやりがそうさせたと、今でも思っています。

UDにたずさわる前は、オフィス家具のデスク、収納家具、パネル等のワークステーション家具開発を担当してきました。曖昧なUDの概念はあったものの、マスプロ・マスセールスが最大の関心事で、ユーザー像は健常者の多数派に絞られていました。車いすなどへの対応は特注品としてその都度設計が行われ、結果としてノウハウ情報が固有化され、企業の共有情報になることは少なかったということが反省されます。その後、環境本部で環境戦略と環境ISO管理を担当し、現在UDとECOを担当しています。



写真:Ud&Eco style

弊社では2000年のはじめに、「21世紀の新コンセプト『Ud&Eco style(ユーデコスタイル)』を掲げ、人と地球が共創する社会の実現」をめざしています。「Ud&Eco style」は、21世紀の社会にとって重要な2つのキーワードであるUd(ユニヴァーサルデザイン)とEco(エコデザイン)を1つに融合させ、持続可能な共創社会の実現と、すべての人が利用できる製品や環境づくりをすすめる新しいコンセプトです。さらに、UDを実現させるための3階層として「製品レベルのUD」をまず考えて、それで実現しないことは「場レベルのUD」で運用計画等によって補い、それでも実現しないことは「社会レベルのUD」の人々の思いやりで解決することによって、UDが達成されることをめざしています。当然この3階層はいずれも人間中心で考えるべきで、弊社にとって最重要の「製品レベルのUD」では、人間を中心にして家具、コンピューター等との相互の関係性を配慮したデザインを心がけています。

今回、一企業としてIAUDの諸活動に参加する機会を得ることができました。日本発のUD構築に、微力ながら参画させていただきます。今後ともご指導ご鞭撻いただきますよう、お願いいたします。

<掲載日:2004年12月15日>