ムーアデザイン・アソーシェーツ 社長
原文(英語)はこちら Original text(in English)
ムーア氏は、国際的に名高い老年学(gerontology)分野の学者であると同時に工業デザイナーでもあります。特に、人の生涯にわたる生活行動と要求についての第一人者です。1979年から1982年までの3年間、彼女は80歳以上の女性に変装してアメリカとカナダの全土を旅行するという奇想天外かつ大胆な試みをしました。外見は特種メイクを施し、目薬を使って見えにくくしたり、手や足を動きづらくするなど、老化に伴う一般的な身体の衰えを模擬的に作り出し、一人の老人として人々や製品、環境に向き合ったのです。
彼女の活動は広範囲に渡ります。調査研究、製品開発、デザイン、環境設計、パッケージデザイン、交通機関や車両等のデザイン、市場分析、製品ポジショニング戦略などにも及びます。クライアントは、AT&T、バクスター・ヘルスケア、ベル・コミュニケーション、ベバリー・エンタープライズ、カナダ航空、コーニング・グラス、ゼネラル・エレクトリック、GTE、ヘリテージ・ヘルスケア、インターナショナル・プレイテックス、ジョンソン&ジョンソン、ジョンソン・ワックス、キンバリー・クラーク、クラフト・ゼネラル・フーズ、LOrad、NASA、ノレルコNA、Merck,シャープ・アンド・ドーム、メノァ・ケア、マリオット、メイタグ、モンサント、OXO、パーソナル・プロダクツ・カンパニー、プロクター・アンド・ギャンブル、Searleラボラトリーズ、サンビームNA,3M、バリー・メトロ鉄道、そしてワールプールなどです。
国際的にも幅広く講演活動を展開し、メディア等にも出演。数多くの記事を執筆、著書に『変装−私は3年間老人だった』、『高齢化に関わるビジネス』(2005年出版)、『痛い!悪いデザインはなぜ苦痛なのか』(執筆中)があります。
人体測定学のアメリカ規格委員会を共同設立者、アメリカ理学療法協会ハリントン関節炎研究センター、アリゾナ州立大学優秀デザイン・ハーバーガー・センター等の評議委員会メンバー、CARF
[リハビリ施設の認証協会] とアメリカ作業療法協会などの諮問委員会メンバー等。
1996年には、環境デザインの側面から、自立生活と生活の質を向上させたことが評価され、アメリカリハビリテーション協会から「コミュニティ・サービス賞」を受賞。また、同年、家族ケアセンターでの、適切な保育・育児のためのホリスティックヘルス環境(全体論的健康づくり環境)への取組みが評価され、アメリカ病院協会の「NOVA賞」を受賞するなど、これまでにOXO社のGood
Gripsシリーズのデザインに対し、国際的な栄誉を手にしてきました。
1997年には、デザインとデザイン教育への支援における卓越した貢献が認められ、アリゾナ・デザイン協会からプロフェッショナル・レコグニッション賞(専門的職業認定賞)を贈られています。
1996年と1997年にはカーネギー・メロン大学の客員デザイン教授を務め、アリゾナ州立大学では工業デザインの助教授として活躍。北米、ヨーロッパ、日本、オーストラリア、ロシアなど、さまざまな国々の大学で講義を行っています。
2000年には、工業デザインの専門誌「ID」で、世界で最も社会意識の高いデザイナー40名に名前が挙げられた他、ニュース編集者や団体で構成される協会から「2000年度アメリカで最も重要な女性100人」に選ばれました。ABCワールド・ニュースは、「新世紀を象徴するアメリカ人50人」に選び、特集を組みました。
<掲載日:2005年03月28日>